Kuraray Polyol クラレポリオール
特長
液状・低粘度
常温で液状の銘柄が多く、ハンドリング性に優れています。
溶剤溶解性
幅広い溶剤と相溶するため、使用溶剤の選択肢が広がります。
他のポリオールとの相溶性
汎用のポリエステルポリオールのみならず、ポリエーテルポリオールとも相溶します。
左:クラレポリオールP-2010 分子量2,000
右:ポリブチレンアジぺート 分子量2,000
液状・低粘度
プレポリマーの低粘度化、高固形分化が可能となります。
その結果ハンドリング性に優れています。
| ポリエステル ポリオール | 分子量 | 性状 (25℃) | 粘度[mPa・s] (25℃) |
|---|---|---|---|
| 一般グレード | |||
| クラレポリオール P-510 | 500 | 液状 | 540 |
| クラレポリオール P-2010 | 2,000 | 液状 | 5,700 |
| クラレポリオール P-5010 | 5,000 | 液状 | 47,000 |
| 3官能グレード | |||
| クラレポリオール F-2010 | 2,000 | 液状 | 7,200 |
| バイオグレード | |||
| クラレポリオール P-2050 | 2,000 | 液状 | 5,200 |
| ポリカーボネート ポリオール | 分子量 | 性状 (25℃) | 粘度[mPa・s] (25℃) |
|---|---|---|---|
| クラレポリオール C-2090 | 2,000 | 液状 | 4,600@60℃ |
常温でのクラレポリエステルポリオールの様子
常温でのクラレポリカーボネートポリオールの様子
溶剤溶解性
クラレポリオールは、トルエンなどの強溶剤には任意の割合で溶解します。
また、アルコール類に対しても相溶性に優れています。
このため、ポリオールと共に使用する溶剤の選択肢を広げることが可能となります。
【ポリオールと溶剤の相溶性】
溶剤比率 | 溶剤 | |||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| メタノール | イソプロピル アルコール | トルエン | MEK (メチルエチルケトン) | 酢酸エチル | ||||||||||||
| 25% | 50% | 75% | 25% | 50% | 75% | 25% | 50% | 75% | 25% | 50% | 75% | 25% | 50% | 75% | ||
| ポリオール | P-2010 MPDアジペート | ○ | ○ | △ | ○ | △ | △ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| PBA ポリブチレン アジペート | ▲ | △ | × | ▲ | △ | × | ▲ | ○ | ○ | ▲ | ○ | ○ | ▲ | ○ | ○ | |
| PCL ポリカプロラクトン | ▲ | ▲ | × | ▲ | ▲ | × | ▲ | ○ | ○ | ▲ | ○ | ○ | ▲ | ▲ | ○ | |
| C-2090 MPD/1,6-ヘキサンジオール カーボネート | △ | × | × | △ | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
| PHC 1,6-ヘキサンジオール カーボネート | × | × | × | △ | × | × | ▲ | ○ | ○ | ▲ | ○ | ○ | ▲ | ○ | ○ | |
*全て分子量2000
○:均一に溶解
△:白濁(エマルジョン状態)
▲:部分的に溶解
×:分離(不溶)
他のポリオールとの相溶性
クラレポリオールは、ポリエーテルポリオールと相溶します。
ポリエーテルポリオールからなるポリウレタンは耐熱性や耐摩耗性が課題となりますが、クラレポリオールとブレンドすることにより、これらの弱点が改善されます。
【クラレポリオールとポリエーテルポリオールの相溶性(60℃)】
溶剤比率 | ポリエーテルポリオール | |||
|---|---|---|---|---|
| PPG(2官能) 分子量2000 | PPG(3官能) 分子量3000 | PTMG 分子量1000 | ||
| ポリエステル 分子量1,000 | P-1010 | ○ | ○ | ○ |
| PBA ポリブチレンアジペート | ○ | × | × | |
| ポリカーボネート 分子量1,000 | C-1090 MPD/1,6-ヘキサンジオールカーボネート | △ | × | △ |
| PHC 1,6-ヘキサンジオールカーボネート | × | × | × | |
○:相溶
△:比率により相溶
×:分離または白濁
用途展開
ポリエステルポリオール
- アジピン酸系:印刷インキ、合成皮革、塗料、TPU(熱可塑性ウレタン)
- テレフタル酸系:接着剤、塗料、PUD(水系ウレタン)
- セバシン酸系:エラストマー、TPU
ポリカーボネートポリオール
- 合成皮革、電子材料、塗料、ウレタンフィルム
ラインアップ
クラレポリオールの銘柄は、組成を反映した命名になっています。
Pシリーズ:ポリエステルポリオール
Fシリーズ:3官能ポリエステルポリオール
Cシリーズ:ポリカーボネートポリオール
ポリエステルポリオールの場合、十と一の位はカルボン酸の種類を表します。
ポリカーボネートポリオールの場合、十と一の位はジオール中のMPDの割合を表します。
ポリウレタンとしての特長
柔軟性
耐久性を保ちつつ、柔軟性を高めることができます。
耐加水分解性
汎用のポリエステルポリールからなるポリウレタンと比べ、耐加水分解性に優れています。
耐摩耗性
ポリエーテルポリオールからなるポリウレタンと比べ、耐摩耗性に優れています。
耐熱性
ポリテトラメチレンエーテルグリコールと比べ、優れた耐熱性を示します。
| ポリエーテルポリオール | ポリエステルポリオール | ポリカーボネートポリオール | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 汎用品 | 汎用品 | クラレポリオール | 汎用品 | クラレポリオール | |||||
| PPG | PTMEG | PBA | P-**10 シリーズ (アジペートタイプ) | P-**10 シリーズ (アジペートタイプ) | P-**10 シリーズ (アジペートタイプ) | P-**10 シリーズ (アジペートタイプ) | PHC | Cシリーズ | |
柔軟性 | ++ | + | + | ++ | ++ | + | -- | - | + |
| 低温特性 | ++ | + | - | ++ | ++ | - | -- | - | ++ |
| 耐加水分解性 | + | + | -- | + | ++ | + | ++ | ++ | ++ |
| 耐酸性 | + | + | -- | + | ++ | ++ | ++ | ++ | ++ |
| 耐アルカリ性 | + | + | -- | + | ++ | + | ++ | ++ | ++ |
| 透明性 | + | + | -- | ++ | ++ | ++ | ++ | - | ++ |
| 溶剤溶解性 | -- | -- | + | + | - | + | ++ | + | + |
| 耐熱性 | -- | -- | ++ | + | + | + | ++ | ++ | + |
| 耐UV性 | -- | -- | ++ | ++ | ++ | + | + | ++ | ++ |
| 接着性 | -- | -- | + | ++ | + | ++ | ++ | - | + |
++
:Excellent
+
:Good
-
:Poor
--
:Veery poor
PPG
:ポリプロピレングリコール
PTMEG
:ポリテトラメチレンエーテルグリコール
PBA
:ポリブチレンアジペート
PHC
:1,6ヘキサンジオールカーボネート